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チョコレートで冠動脈疾患リスク低下

最近は日差しの中に秋の気配を感じますね。色々な事情から新型コロナに関する規制が緩和されていますが、流行が収束したわけではありませんのでお気をつけください。

米国から週1回以上のチョコレート摂取が、冠動脈疾患のリスク低下と関連するとの報告がなされました。

6件の前向き研究データから33万6289例のメタ解析を施行し、中央値で約8年の追跡期間中に、冠動脈疾患1万4043例、心筋梗塞4667例、脳血管障害2735例、心不全332例が発症していたとのことです。

解析の結果、チョコレートの摂取頻度が週に1回以上の人は、週に1回未満の人に比べて、冠動脈疾患の発症が8%低かったとのことです。

チョコレートには、フラボノイド、メチルキサンチン、ポリフェノール、ステアリン酸などの抗炎症作用や善玉コレステロールを増やす作用をもつ物質が含まれており、冠動脈疾患のリスク低下に関係しているのではないかと考えられている。

チョコレートをたくさん食べれは、より冠動脈疾患になりにくいかは今のところわかっておらず、取りすぎると糖尿病や高脂血症の悪化を招く可能性もあり、注意が必要と警鐘を鳴らしています。

過ぎたるは及ばざるが如しですかね・・・・・・・


公共交通機関での新型コロナウィルス感染

9月になろうとしているのに、熱帯夜と真夏日が続いています。熱中症や体調不良にお気をつけください。

さて、中国でコロナの感染について面白い論文が発表されましたので紹介したいと思います。

新型コロナウィルスに感染した2334例と同じ車両に同乗した7万2039人について、感染状況について検討したとのことです。(2019年12月19日から2020年3月6日の期間)

感染者の座席から5列以内に座った人の平均感染率は0.32%、隣に座った人でも3.5%程度だったとのことです。もちろん同乗時間が増えれば感染率も増えるのですが、平均で1時間あたり0.15%だったとのことです。

会話の有無やマスク着用に関してははっきり書かれていませんが、時期的にそれほど徹底した感染対策がなされていないと思われる期間の数字だと考えれば、それ程高い数字ではないと思われます。

列車内でも少し離れれば感染率は下がっているので、ソーシャルディスタンスの有効性が示されていると考えることができます。

やっぱり感染防御に王道なしですかね。(できることをコツコツと・・・・)

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熱中症にご注意ください

「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉が、恨めしくなるほど暑い日が続いています。雨も降らないため、屋根が日差しで灼けて、エアコンでも温度が下げれないようです。

こんな酷暑の中、熱中症で搬送される方が増えているようです。特に室内にいた高齢者の発症が多いとのことです。

37℃越えの予想気温でも、「体温よりちょっと高いぐらい」と考えがちですが、この気温の測定は芝生の上で白く塗った風通しの良い百葉箱の中での温度ですので、実際の温度は室内で40℃、室外で50℃を超えてもおかしくないそうです。

エアコンを点けていても最初に書いたように温度が思うように下がらないこともあるので、温度計による確認が欠かせないようです。(搬送時に体温が43℃まで上がってしまっていた例もあるそうです。)

「窓を開けて涼を取る」という牧歌的な風景は、もはや幻影にすぎないのかもしれませんね。(特に都会では・・・・・・・・・・)

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嗅覚喪失

「コロナ疲れ」という言葉が聞こえてくる昨今ですが、スポーツ選手や芸能人さらには外国の要人まで感染が広がっており、感染者が全世界で50万人を超えたとのことです。 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、この感染が夏に収束する公算は少ないとの見解を出しています。

気を緩めずに、しっかりと予防対策を淡々と行っていくことが大切です。

さて、感染しても人によっては症状が出にくいとされている新型コロナウィルスですが、今一つの兆候に注目が集まっています。それが「嗅覚の喪失」なのです。

『世界保健機関(WHO)はCOVID-19の最も一般的な兆候として発熱、倦怠(けんたい)感、痰(たん)を伴わない空ぜきなどを挙げている。

英国の耳鼻咽喉科の医師らはこのほど、嗅覚や味覚が急に失われた人について、たとえその他の症状がなくても自主隔離することを勧告するよう保健当局に要請した。』

風邪で鼻が効かなくなることはよくあることですが、新型コロナウィルスでは他に症状がなくても「嗅覚の喪失」が高率に起こっているのではないかと考えられ始めています。

臭いがわからなくなったら要注意です。


今年の花粉

暖冬のために今年の桜は早く咲くようですね。ただ、新型コロナウィルスの影響で花見は自粛とのことです。大阪の春の風物詩の一つである、造幣局の「通り抜け」も中止だそうで、何とも寂しい限りです。

憂鬱になる春といえば、花粉症です。今年は予想が外れて大阪での飛散量は多くなっているようです。近畿ではこれからスギ花粉のピークを迎えるようですので、例年花粉症の症状がでる方は、早めに対処してくださいね。

また3月の後半からは、ヒノキ花粉も徐々に飛散するようになってきますので、注意が必要です。

花粉症がつらい方は、帰宅時に服を払ったり、服薬をするなどの対策をお勧めします。症状の強い方は近くの医院を受診して相談するのも一つの方法です。

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年末のご挨拶

令和の元年もあと少しですね。当医院も明日の午前中までで、年末年始の休診に入ります。年明けは6日からの診療となりますので、よろしくお願いいたします。

本ブログも、1月3日(金)は休ませていただき、1月10日からの再開となります。

お読みいただいている方々に色々とお読みいただきたいことも多いのですが、私の筆力が及ばず十分に医学・生物学(時々天文学)の面白さをお伝えできていないかもしれません。

拙いブログですが、少しでも医療を身近に感じていただければ望外の喜びです。来年もよろしくお願いいたします。

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風邪に抗菌剤(抗生物質)は効きません。

昨晩から、急に冷え込みましたね。長袖だけでなく、重ね着をしている人も多いですね。大阪での最高気温も20℃を下回り、冬将軍の足音が響いてきそうですね。

当院でも風邪で来院される方が多くなっています。今回、抗菌剤の適正使用に関する活動をしている組織のホームページを見つけましたので、簡単に紹介させていただきます。

そのホームページによりますと

(以下引用)

『風邪は、ウイルスが鼻やのどにくっついて炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、せき、たん、のどの痛み、発熱などがでることを言います。この、「風邪の原因はウイルス」というのが大切なポイントです。風邪の原因は細菌ではないのです。風邪の症状はいずれも、あなたの体がウイルスと戦っているサインです。風邪を治すのはあなた自身の免疫力であり、お薬ではありません。医師が処方したり薬局で売られている風邪薬は、風邪のつらい症状を和らげるためのもので、原因のウイルスをやっつける薬ではないのです。』

(引用終了)

と書いてあります。私が話すより、上手く説明されていて感心しました。興味のある方は、覗いてみてくださいね。(http://amr.ncgm.go.jp/)

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G20

昨日の大雨もさることながら、大阪は「G20」で大変です。要人の宿泊するホテルの周りは、さながら非常線のようですし、要人の移動時には長時間に及ぶ道路封鎖。日本中の警官が集まっているのではないかと思ってしまいます。(他府県の治安は大丈夫なのでしょうか?)

昨日は車の交通量も目に見えて減っていたのですが、今朝は週末のこともあり結構な交通量でした。大規模規制で大規模渋滞とならなければ良いのですが・・・・・・・

G20に伴い、薬剤・医療材料の配送にも遅れが生じており、血液検査の検体回収にも影響が及んでいるようです。救急患者の搬送や輸血用の血液など、必要不可欠なものにしわ寄せが来ないか心配です。

大きな問題なく終わってほしいものです。

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百舌の「はやにえ」

昼の暑さに比して、朝晩の気温低下が気になります。寝冷えして体調を崩す人が多いようです。お気をつけください。

大阪市立大学と北海道大学の共同研究チームが面白い発表をしたので紹介します。

百舌が捉えた獲物を木の枝などに刺す「はやにえ」ですが、これまでは餌が少ない冬の「保存食」と思われていました。今回研究チームが大阪の里山で行った調査で、はやにえの消費が寒さが続いている2月に少ないことから、単なる「保存食」では無いのではとの疑問が生じたとのことです。

研究チームは「はやにえ」の効果を調べるため百舌を三つの群に分けて観察したとのことです。

・はやにえを取り除いた「除去群」

・通常オスが消費するはやにえの3倍量相当の餌を与えた「給餌群」

・はやにえの数を操作しなかった「対照群」

はやにえを取り上げられた「除去群」では、オスのさえずりの詠唱速度が遅くなり、メスの獲得に失敗することが多くなったそうです。「給餌群」と「対照群」ではメスの獲得に差はなかったそうですが、餌をたくさん与えられ栄養状態の良い「給餌群」の方が詠唱速度も早く、早期にメスを獲得できたとのことです。

このことから、「はやにえ」は冬の栄養状態を改善し、「歌の質」を改善させる栄養食として働いていると考えられました。

食事の少ない冬でも、栄養食を確保して質の高いさえずりを行えるオスがモテる百舌の世界、なんだか人間の社会を見ているような気分になるのは私だけでしょうか?

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「オプシーボ」で副作用

長い連休いかがでしたか?リフレッシュして、仕事の効率が上がるかと思ったのに、なんだか乗り切れない感じがしています。休み癖がついてしまいましたかね。

さて、令和最初のブログは、ノーベル賞をもらった本庶佑先生の発見を基に開発された抗がん剤「オプシーボ」の話題です。

「オプシーボ」は「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれる新しいタイプの抗がん剤です。ノーベル賞と合わせて、目が飛び出るほど高額な事で話題となりました。

今回「オプシーボ」投薬で11人に副作用とみられる下垂体(脳の一部)機能異常があり、うち1人が死亡したとの記事がネットに掲載されていました。

薬の効果や高価であることに惑わされて、手放しに「良いもの」と思ってしまいがちですが、薬には副作用が付き物だと改めて気付かされる記事ですね。

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