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「お産事故」の記事

この暖かさで桜の花も我先に開花していますが、週明けは寒の戻りになるようです。気温の変化や乾燥傾向で風邪を召される方が多いようです。お気をつけくださいね。

ネットで気になる記事を見つけました。
「お産事故で赤ちゃんに脳性まひ、3割で陣痛促進剤を使用」というものなのですが、内容を読んでみると・・・・・・?????となりました。

(一部引用)

2013年までの5年間にお産の事故で脳性まひになった赤ちゃんのうち、約3割に陣痛促進剤(子宮収縮薬)が使われ、最もよく使われる薬剤だと、半数以上のケースで、学会指針が強く勧める適切な使用量が守られていなかった。日本医療機能評価機構が29日、発表した。

(引用終わり)

この記事を読まれて「陣痛促進剤→悪者」と思われた方も多いのではないでしょうか?実際はどのような発表だったかは知りませんが、この記事を書いた記者さんも「陣痛促進剤→悪者」と考えていると推測します。(発表した日本医療機能評価機構の人もそうかもしれません。)

数学的に考えると、3割に陣痛促進剤が使われ半分程度が不適切な使用方法だったとのことですので、不適切な陣痛促進剤の使用は脳性麻痺になった赤ちゃんの1割5分だけなのです。(後の8割5分は・・・・・・?)

また通常の分娩で陣痛促進剤がどれぐらい使われているか分からないので、3割の使用が多いのか少ないのか判断できません。(もし通常は5割使われているとすると・・・・・・話が逆になる可能性が出てきます。)

必要な情報のない記事を見たときには(特に医療系の記事)、「眉に唾」して騙されないようにしてくださいね。

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HPVワクチンで子宮頸がんリスク低下

新年最初のブログになりすね。ここ数日インフルエンザで来院される方が多いようです。お気をつけください。

さて、2010年度から公費助成、2013年4月に定期接種化されたヒトパピローマウィルス(PHV)ワクチンですが、重大な副反応と思われる問題で2013年6月から積極的な接種勧奨をさし控えるとの通達がなされ、現在もそのままの状態です。

そんなHPVワクチン接種の効果について、第22回日本ワクチン学会で報告がなされたそうです。

報告によるとHPVワクチン導入前の世代と接種率の高い世代を比較したところ、細胞診異常の出現率はワクチン接種世代では軽度異常で24%、高度異常で73%低下していたとのことです。

ワクチンの接種率と子宮頸がんの罹患リスクは逆相関をしており、HPVワクチンの効果が明確になったと考えられるとのことです。

子宮頸がんリスク低下に効果のあるHPVワクチンが安心して使えるように早くなって欲しいものです。

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桃が5個あります・・・・・・

酷暑と言っていい状態が続いています。十分な水分補給と塩分補給を心がけてくださいね。トイレの回数が極端に減ったり、尿の色が濃い場合は脱水傾向かもしれません。体重計に乗って、体重が減っていればさらに注意が必要です。

さて昨今、小学生のテストや宿題を見で頭を捻ることが多いとの投稿をよく見かけるようになりましたが、ネットでこんなのを見つけました。

「桃が5個あります。3個もらうと全部で何個になりますか」

「??????」と思われませんか?

どこに桃が5個あって、誰が何処から3個もらうのでしょうか?5個のうちから3個もらって、全部で桃がいくつかと問うているとすると桃は5個ですし、よそから3個もらってくれば全部で8個・・・・・・

解けないですよね。

投稿した人は困って高校生の娘さんに聞いたところ、「全部で?は足し算、残りは?は引き算」という暗黙のルールになっているので「5+3=8」が正解と即答したとのことです。

「桃が5個と3個あります。全部で桃は何個になりますか」ではダメなのでしょうか?
「もらう」と書き加えて、混乱させることが目的なのでしょうか?

本質は何処にあるのかを置き去りにして、自分たちで勝手に決めた「暗黙のルール」が一人歩きすることは、小学校のみならず医療の世界でも蔓延し始めています。

本当に困ったものです。

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本日は土用の丑の日

茹だるような暑さが続いて、熱中症で搬送される人が急増しているようです。温度・湿度管理と水分補給を万全にして、予防を心がけてくださいね。

さて、本日は土用の丑の日です。当医院の近くにある有名うなぎ店では、予約の持ち帰りのみの営業になっているのですが、朝から順番待ちの列が出来ています。閉店まで、忙しい時間が続くと思いますが、店員さんや行列に並んでいる人が熱中症にならないか心配です。

心配は熱中症に止まりません。シラスうなぎ(うなぎの稚魚)の不漁は以前から続いていて、取引価格も去年より3〜5割も上昇しているとのことです。蒲焼一尾3000円でも原価割れをするとうなぎ店は嘆いているとのことです。

そういえば8年ほど前に「うなぎの完全養殖成功!!」と大々的に報道されたのですがどうなったか気になりませんか?ネットの記事によると、量産化・効率化が上手く行っていないとのことです。

原因の一つは、うなぎが成長するのに約1年間かかるため手順を改良しても結果が出るのが1年後であり、なかなかとんとん拍子では進まないことにあるようです。

それでも、今年は人工育成したシラスうなぎを養殖業者さんに無料で提供して、将来商品になるか検討を始めたとのことです。

完全養殖のうなぎ・・・・・・・どんな味がするか今から楽しみです。

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笹持ってこい!

今朝は本当に冷え込んでいますね。胃腸炎や風邪、インフルエンザで受診される方が増えております。うがい・手洗いなどの予防措置を心がけてくださいね。

さて、昨日11日の話なのですが、往診の帰りに渋滞に巻き込まれました。一瞬「なぜ?こんな所が渋滞するの?」と思ったのですが、冷静に考えてみると昨日は「十日恵比寿の残り福」だったのです。

往診の帰り道に今宮戎神社があり、交通規制などで大渋滞。結局天王寺の方まで大回りして帰院したのでした。

夜には会議があり難波まで出かけたのですが、夜店が出ていて多くの老若男女が笹を片手に美味しそうなものを物色したり、行列を作ったりして賑やかでした。

そういえば、西宮恵比寿の「福男」は毎年ニュースにも取り上げられ、全国的に有名ですよね。

新年早々「えべっさん」を忘れていたなんて、大阪人にあるまじき失態を演じてしまいました。

来年は、往診の木曜日に重ならないことを願います。

(老婆心ながら ・・・ えべっさんの掛け声は『商売繁盛で笹持ってこい!』です。)

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「湿邪」

大阪も梅雨入りし、すっきりしない天気が続いています。今日は南の高気圧から、暖かく湿った空気が流れ込み、湿度と温度の高い日になるようです。

この時期から気をつけておかなければいけない状態に「熱中症」があります。

(以前の記事をご参照ください。)
https://ddmap.jp/interview/naika/20110701_1i/
https://ddmap.jp/interview/naika/20110701_2i/

実は、東洋医学においても熱中症と似た概念があり「湿邪」と言います。

「湿邪」とは、体に溜まった余分な水分により様々な体の不調を訴える病態です。体のだるさ・むくみ・眠気・食欲不振など、熱中症と夏バテに共通の症状が並んでいます。

予防としては、「体を冷やさないこと」「体温を上げて新陳代謝を高めること」と言われており、これも西洋医学・東洋医学で共通ですね。

クーラーや除湿による適度の空調や半身浴などで「湿邪」の予防をして、体を労わってくださいね。

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プログラミングと医療

お気づきの方もおられると思いますが、最近ブログの更新時間が遅くなっています。金曜日の午前中に来られる患者さんも増えてきたので、「午前中にゆったりとコーヒーを味わいながら・・・」と優雅には行かなくなってきました。

さて、最近年甲斐もなくコンピュータのプログラミングをしております。色々な事情で、自分で作らなければならなくなったのですが、その辺は取りあえず置いておくとしましょう。

大学を卒業してから、表計算ソフトのマクロ程度なら作ることもあったのですが、本格的なプログラミングとなると四半世紀ぶりになるかもしれません。(四世紀ではなく四半世紀なので25年ぶりです!)

昔と比べるとコンピュータも進化しており、驚くような機能が簡単にプログラミングできる事には隔世の感がありました。以前はメモリーも少なく・・・・・と書き出すと自分が年を重ねた現実を突きつけられるので、ここは敢えて違う方向で進めていきたいと思います。

最近のプログラミングは、以前と比べて制約が少なく出来ることが飛躍的に増えているのですが、どんなオプションがあるのかを調べるのに多くの時間が費やされてしまう印象です。数ある選択肢の中から、ピッタリのものを見付けた時の完成度は、以前のプログラミングの比ではありません。

では、今のプログラミングの方が楽しいかと聞かれると、私には即答できそうにありません。色々なオプションを調べ尽くして最適のものを見付けても、あくまでそのプログラミングに使用したツールの中の話であり、その知識を他に応用することが難しいのです。

同じ時間を使っても以前のプログラミングでは、物理的なコンピュータの構造を深く理解するのに時間を使っていたので、自分の成長を実感し易かったように思います。

今のプログラミングが効率的あるとすれば、昔のプログラミングには手作りした実感がありました。両方の良いとこ取りを出来るプログラミングスタイルは無いものでしょうか?

医療の世界でも副作用の少ない強力な薬が登場しており、病態を十分に理解しなくても対応できるようになっています。改めてツールに頼り切るのではなく、自らが治療したと実感できる医療を目指すように自分を戒めました。

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長寿遺伝子

昨日から急に冷え込んで、最低気温が一桁になりましたね。日が当たると急に気温が高くなることもなく、日陰に入ると冷たい風が肌を突き刺す感じです。

さて、現在全世界で確認されている110歳以上の人は74人居られるそうです。その内、アメリカに住んでいる17人の遺伝子について共通の特徴はないか、米スタンフォード大学が長寿遺伝子を見付ける研究をしたとのことです。

研究誌の報告によると、17人の平均寿命は112歳で最高齢者が116歳だったとのことです。結果としては、最初の予想に反してこの17人に共通する遺伝子の特徴は見つからなかったとのことです。

この結果を聞いて、何だか少し残念なようなホッとしたような複雑な気持ちに包まれました。

「長寿遺伝子が有れば良かったのになぁ」と思う一方、日頃から受診した方に力説している「健康は細かい養生(調整)の積み重ねです。」という言葉に、新しい裏付けが出現したと喜んでいる気持ちがあるのです。

先ほどの研究の結果は、今後のために分析データを一般公開するそうですが、この17人の「生命線(手相)」の長さなどは、よもや解析されていないですよね・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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心不全と糖尿病と痴呆症

今週末から週明けにかけて台風が来るそうですが、予定されている運動会大丈夫なのでしょうか?もし、天気が持っても湿度が高く季節外れの「熱中症」が出なければ良いのですが・・・

以前から高齢者社会になって問題となっている痴呆症について書きたいと思っていたのですが、循環器医の専門外であり、躊躇(ちゅうちょ)しておりました。最近、痴呆症の話を聞いた時に「あれ?もしかして・・・・・」とひらめいたことがあったので、書いてみたいと思います。

もちろん単なる思いつきですので、実際にはどうなのか判然としませんが、敢えて書いてみますね。

以前にこのブログでも書きましたが「心不全」(心臓の動きが悪い状態)に対して治療する場合には、急性期には「心臓を動かす薬(強心薬)」が役立ちますが、慢性期には心臓の動きを抑える「β遮断薬」が投与されています。これは、「痩せウマに鞭」の状態を脱却して、心臓本来の快復力を期待する「臓器保護的」な治療と言えます。

また「糖尿病」の場合も、短期的に血糖を下げるには「インスリンを出す薬」が有効ですが、漫然と使い続けると、膵臓の機能が低下してインスリンが出なくなってしますのです。「糖尿病」の治療は「膵臓を保護する」ことに本質があるとこは、以前からこのブログを読んでいただいている方にはご理解いただけると思います。

では現在、「痴呆症」の治療はどうなっているのでしょうか?「痴呆症」は脳機能の低下と捉えられており、脳神経細胞の間で刺激をやりとりする「伝達物質」を増やすことにより脳機能を改善することを目標としているようです。

この治療は「心不全」や「糖尿病」に当てはめると、「急性期」や「短期的」な治療で、「臓器保護」という概念から外れているのではないかと、違和感を感じるのです。

もちろん脳は複雑で心臓や膵臓とは違うのかもしれません、しかし「単に機能を改善する治療」で痛い目にあってきた循環器医としては、「脳を保護する痴呆症の治療」があるのではないかと思ってしまいます。

皆さんはどの様に思われますか?

 

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高血圧と認知症

先週、やっと秋らしい日が来たと思っていたら、台風が南の湿った空気を送り込んでくるからでしょうか、残暑というより蒸し暑いですね。不眠などで何となく怠い感じが残ってしまい易くなる状況です。お気をつけ下さい。

さて、今回のブログは「高血圧と認知症」の話です。

実は老年期の高血圧ではなく、「中年期の高血圧」が20年後の認知機能低下と関連するとの驚くべき報告です。

報告は、米国4地域の1万3000人(45〜65歳)を対象とした長期観察研究からなされました。中央値で19.1年、最長23.5年の間、追跡調査がなされたとのことです。

その中で、中年期に高血圧であった方は、20年後の認知機能低下が有意に大きかったとのことです。もちろん、高血圧群では多くの方が亡くなっており、数学的に補正すると認知機能の低下に対する影響はさらに大きくなったのです。

また、ベースの血圧が高くても降圧薬で治療すると、認知機能の低下は抑えられたとのことです。また、老年期の高血圧と認知機能の低下は明らかな関係を認めなかったことから、老年期になって高血圧を治療しても、影響は少ないと考えられるのです。

「忙しいからなかなか病院には・・・・・」と思われている方、手遅れになる前に是非近くの医院に相談しに行ってください。

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